「ミク、そんな顔してないって。遠距離でも今だってうまくやってこれたんだ、これからだってやっていける」
あたしの心の微妙な変化を敏感に感じ取ったセイジは、こぼれそうな涙を丁寧に拭ってそう言ってくれた。
「うん、そうだね……」
「大丈夫だから」
「うん」
駅の改札で会ったときよりも強く抱きしめてくれるセイジに、あたしは改めてセイジを愛してるんだって実感した。
それから、プロポーズはここでするしかないって、そう直感した。
「あのね、セイジ……、話したいことあってね、あたし」
セイジと体を離しながら、あたしは思いきってプロポーズを申し込むことにした。
「ん?」
セイジは相変わらず穏やかな口調で“何でも話してごらん?”とあたしの言葉を待ってくれてる。
「あたし……あの……」
だけど、そう言ったきり続く言葉が出てこなくて、あたしは1日中持ち歩いたチョコが入ってる紙袋をセイジの胸元に突き出した。
緊張は治まるどころか急激に高まっていくばかり、心臓が破裂しそうだ……。


