【バレンタイン短編-2009-】 俺のココ、あいてるけど。

 
あたしは夜景に見とれるあまりに思わず大きなため息をもらした。


新潟の夜景を見られるとは思ってもなかったし、セイジと見れるとも思ってなかったから。


セイジと一緒のものを見られる感動に胸が震えて、もうすぐ帰らなきゃという寂しさにも胸が締めつけられて。


そして、あたしからプロポーズするんだっていう緊張も次第に高まっていって、あたしの心臓は鼓動が激しくなっていく。


でも、逆に目には涙がたまっていって、せっかくの夜景なのに街の灯りがぼやけて見えた。


「泣いてんのか、ミク……」


そんなあたしの様子に気づいたセイジは、ゆっくりと顔を覗き込んでくる。


キスしたい、帰りたくない、ここから離れたくない……。


セイジに見つめられて、あたしの心はどんどんわがままになっていく。こんなこと言ったら、セイジを困らせるだけだって分かっているのに……。


「す、少し夜景が目に染みただけだよ。あんまり綺麗だから」


あたしは精一杯の強がりでセイジにニコッと笑ってみせた。もう気まずい思いはしたくないから。