「おっ!これってチョコ?」
すると、セイジはあたしが持っていた紙袋を見つけてひょいと取ろうとした。
「ダメ!まだなの!」
ここでは渡せないと鋭く反応したあたしは、セイジの手に渡る前にさっとよけた。
「ケチ!」
「ケチじゃないもん。あとでちゃんと渡すもん!」
会えた感動も冷めないままに少し涙が浮かんだ目で見上げると、セイジは言葉とは裏腹に優しい目をして微笑んでいる。
「開けてびっくり玉手箱って?」
セイジは目を細めてちょっとむくれたあたしの頭に手を置いた。
「そんなとこかな」
答えたあたしは急に笑顔になる。セイジに触れられるなんて久しぶりだから、嬉しくないわけない。
「じゃあ。あとでじっくりチョコは見せてもらうとして、さっそく新潟観光に行きますか!」
「うん!」
あたしの頭から手を離すと、セイジはそう言ってさり気なく手を握ってくれた。
この手に触れたのも久しぶり。あたしは、つき合い始めの頃を思い出しながらセイジに手を引かれるままに駅を出た。


