【バレンタイン短編-2009-】 俺のココ、あいてるけど。

 
それからしばらくして、あたしの住むこの街もバレンタイン一色になった。


セイジの住む新しい街でもバレンタインの色は濃いらしく、メールや電話、写メなんかで様子を教えてくれた。


最後には決まって「バレンタインはどこでも一緒だね」って言って笑い合う。


距離は離れていても心は近くにあるんだって、そう感じて安心できた。


そうして、幸せで充実した日々を過ごしているうちに運命の14日が着実に近づいてきていた。


幸い店長が心配していたことは全く起こる気配もなく、あたしは今度こそセイジに会いに行けると確信した。


新幹線の切符を何日も前に手配したり、時刻表を眺めては「午前中にはそっちに着くよ!」なんて言ってみたり。


セイジに会える楽しさ半分、プロポーズの緊張感半分の気持ちで、仕事にチョコ作りに奮闘した。


そして日付は14日に変わり、いよいよバレンタイン本番の日を迎えた。


4時間くらいかかって作った渾身のチョコ、新潟までの切符、その2つを机に並べて、チョコの甘い匂いに包まれた部屋であたしは眠った。