次の日、あたしは並々ならぬ決意を固めて店長の前に立った。もちろんそれは、休みの交渉をするためだった。
いつもの通り、バックヤードの事務室の蛍光灯は少し暗く、例によって店長はこの前と同じ姿勢でぼーっとしていた。
「店長!」
そんな店長の後ろ姿に、あたしは絶対バレンタインに休みを勝ち取るんだっていう気持ちで声をかけた。
「おわっ!な、なんだ、長澤か。ビックリさせるなよ」
相当気を抜いていたいたらしい店長は、笑っちゃうくらいオーバーな驚き方をしたあと、恥ずかしそうに頭の後ろを掻きながらあたしのほうに振り向いた。
「すみません、店長。シフトのことでお話があるんですけど」
あたしは笑いをこらえながら本題を切り出す。今はお昼休み、貴重な時間を無駄にはできないから、早いとこ話を進めないと。
「長澤がシフトのことで話?珍しいこともあるもんだな。一体どうした?」
「2月の第2週の土曜日、どうしても休みを取りたいんです!」
興味津々な様子の店長の目をしっかり見据えて、あたしは力を込めて答えた。


