「ごめんな?ミクの性格は分かってるはずだったんだけど、俺も引っ越しで忙しくてなかなか連絡できなかった」
電話口で泣くあたしに、セイジは温かい言葉ですっぽり体を包み込んでくれた。
まるで、そばでセイジがあたしを抱きしめてくれているような、体温まで伝わってくるような、そんな感じだった。
どうしようもなく自分勝手なあたしにつき合ってくれてるセイジ。あたしを一番に考えてくれてるセイジ。
寂しい気持ちや女心を分かろうとしてくれてるセイジ。泣くだけのあたしを慰めてくれるセイジ。
こんな人、どこにもいない……。
「セイジ、あたし、2月にはなにがなんでも休みを取って会いに行くから」
涙と鼻水をすすりながら、あたしは力強く言った。セイジに言いたいことができたんだ。
バレンタインの奇跡に賭けて、あたしは一世一代の決意をこのとき固めた。
「お、おぅ。ミクが会いに来てくれるんだったら、早いとこ片付けないとな、部屋の段ボール」
セイジは、急に変わったあたしの口調に少しどぎまぎしながらも歓迎してくれた。


