その日の夜、家に帰ったあたしはさっそくセイジに電話をかけることにした。
なんだかんだ携帯とにらめっこしているうちに時間ばかりが過ぎてしまって、発信ボタンを押せたのは結局日付がかわってから。
セイジは寝てるかもという不安を抱きつつも、どうしても謝りたかったんだ。
―――プルルル プルルル……
耳元で繰り返されるコール音が脳まで刺激を与える。心臓は高鳴っていくばかり。
「……ミク?」
5回目のコールでセイジは電話に出てくれた。予想は当たって、セイジは眠たそうな声。
引っ越しで疲れただろうし、それに夜中に電話……相変わらず穏やかな口調のセイジとは反対に、あたしは起こした申し訳なさにさいなまれた。
「ミク?どうした?」
電話の向こうでは、ベッドから起き上がって話を聞く体勢に入ったセイジの動きが伝わってくる。
「あの、セイジ……」
あたしは、イズミちゃんの潤んだ目を思い出して、意を決して話を切り出した。
「ん?」
「ごめん。わがままだったね、あたし……」


