「舞ちゃん!!」
夢の中でぼくは叫び続ける。
雨でずぶ濡れになったぼくは必死に走り続ける。
「舞ちゃん、まっててね。いま、行くからね」

辺り一面深い霧に覆われ、すべての物を呑み込むような静けさが森に漂い始めた。