「アユムです。よくオタクっぽいって言われるけど、違うから。“ぽい”じゃなくて筋金入りなんでぇ。合コンは割と手馴れてるっていうの!?まぁ、俺に任せてよ。ヨロシク」

見事に勘違いしてるオタクを演じている。

「えっと、あのぉ、ゴクン(唾を呑み込む音)。自分は、“まあさ”って言う者です。こういうのはじ、はじ、初めてなんで、脇の汗がすごいっス今。いつもは的を狙ってるんですが、今日は誰かのハートを狙い撃とうと思います。って言えって言われました。あ"っ!聞かなかったことに。今日はとにかく頑張るんでヨロシクお願いしまぁす!」
と言って、右手を差し出した。

するとマキが「いや、無理だし」と冷めて言った。

「俺、ハチベーって呼ばれてる。皆からはよく『ポリシーあるよね』とか『時代を先取りしすぎ』とか言われんだけど、俺はやっぱ俺らしくありたいじゃん!?だから別に意識してる訳じゃなくて、ん~、一言で言えば、流されないって言うの?そんな感じ。おぃ、おぃ、そんな見つめんなよ!熱いぜぇ。まっ、そんなお前にゾッコンLoveで行くんでシクヨロ」

ハチベーはいつも通りだ。