待ち合わせ場所に着くと、すでに女の子が4人来ていた。

そのうちの一人がアユムの方へ近寄る。


「ばっちりキモ~い」

「だろ!?」

アユムがナツの方を向いた。


「ナツ、この娘覚えてねぇ?」


「さぁ、分かんねぇ」

「ハチップで初めてナンパした時の娘」

「あ"っ!?あーあぁ~。つーか、ずっと連絡とってたの?すげぇ」

「ナツ君だっけ!?久し振りぃ。今日は楽しませてよー。私もあの娘らが帰んないように頑張るから」


そうして8人はカラオケへと移動した。



部屋に入っても女の子達は全く話そうとしなかった。

ともすれば、今すぐにでも帰りそうな雰囲気さえ感じられる。


「マジやばくない!?帰ろうよ」

ナツ達に聞こえるように話している。

(まずい)と感じて、アユムの連れて来た娘が
「せっかくだしぃ、自己紹介しよー!ねっ?ねっ?私の名前は裕子です、ハイッ、次」
と力技で無理矢理マイクを回す。

「マキ。ハイッ」

「サチです」

「ミカです。ヨロシク」

皆つまらなさそうな中、ミカという娘だけは普通そうでナツは(いい子っぽいな)と思った。


「じゃ、次そっちね」

裕子がアユムにマイクを回す。