「そこのカワイイおねぇさん。そぉ、今自分に指差したアンタよぉ。ハチベー見てみたいっしょ!?」

「みたぁ~い」

「OK、ベイベ~。乗ってけよっ、送ってくぜ」

こうしてアユムの読み通り、1発目から成功したのだ。

「マジかよっ!?」

ナツは驚きながら、一時の歓楽に心を休めた。

アユムのテンションとノリの限界はまだ遠い。




ナツはこうして、遅れてきた夏を

思い出さず
忘れきれず

ギリギリのタイトロープの上で、その場しのぎの止まり木を探しながらやり過ごした。