ナンパは思うより上手くいかなかった。

ハチベーがよくないらしい。


「ねぇ、ねぇ。どっかで見たことない!?」

そんなセリフで引っ掛かるハズもない。


「何やってんだよぉ。ハチベー早く捕まえてきてよ~。あ"っ!!あの娘、半端ねぇ。よし、行けー」
アユムが帰ってきたばかりのハチベーに催促する。

「またッスか!?今日40人は声掛けたっスよぉ。たまにはアユム君が声掛けたらいいじゃないっスか。文句ばっか言って」

「あ"ぁ"?言うねぇボ~イ。ジョークはお前の顔で充分間に合ってんだけど、さっ!」

アユムがハチベーの腹を殴った。

「ボディは甘いよ。顔にしな顔にっ」

ナツが笑いながらアユムを煽る。

「あっ、あの娘行ってきまーすっ」

殴られる前にハチベーは慌てて出て行った。

「ガンむかつくよ、ハチベーの奴」

アユムはまだ殴り足りないようだった。


翌日―


アユムがニヤニヤしながら何かを手に持って来た。