グラスを傾けたサリーの目尻は微かに濡れ、光っている。

ナツはそれを見て、ここまでずっと堪えていた物が堰を切って溢れ出した。

(ー緒に泣いてくれる奴がいる)

サリーの存在に涙が止まらなかった。


「ちょっと休めば?1人じゃ淋しすぎんだろ?」

サリーはナツの肩を抱いてグラスを合わせた。

グラスの鳴きが音叉[チューニングする物]とシンクロして、ナツの心を震わせた。