2人とも息を切らしているところを見ると、ビルの階段を走ってきたらしい。

「遅ぇ!遅ぇ!!遅ーぇっ!!!待ち疲れたわ。トムさん金置いていきますね」

ナツはポケットから札を出しカウンターに置いた。

「あっ、お釣りはいいっすから」

そう言って4人は足早に出て行った。



カウンターには一杯500円の中ジョッキが6つとグシャグシャに丸まった紙キレ三枚が無造作に置かれていた。

「何が釣りはいいだよ。消費税が足りねぇよ」


トムは笑いながら呟いた。