普段怖いもの無しのナツが子供のように怖がっている横顔をサクラは淋しそうに見ていた。


2本目はサクラが見たがった恋愛もの。

ナツは興味が無い為か、欠伸をしながら見ていた。

ロマンスグレイの男がブロンドの女と口論して別れていくシーンー


今迄、無言だったサクラが唐突に、そして真剣に訊ねた。


「ねぇ、あたし達もこんな風にいつか駄目になっちゃうのかなぁ!?」

ナツは本気のサクラに気圧されながらも

「んな訳ねぇじゃん」と答えた。

「よかった。そう言ってくれて。アリガト。」

サクラの両目から、久し振りに温かい泪が伝う。

今のサクラには、これ以上の優しい言葉もキスも何もいらなかった。