しかし、隣でナツが眠りに就いた後いつも泣き出してしまう。


幸せなハズのナツのベッドの中―



ナツに気付かれぬよう、声を殺して泣く術を無理矢理身につけたのもこの場所だった。


「ゴメンネ」


横で眠るナツに呟いて目を閉じる。

しかし今日サクラはハラハラと涙を流しながら

(隣から聞こえてくるナツの寝息をこれ以上近くに感じては辛くなる)と思い

決断する日が近い事を悟った。

涙の流れる音が聞こえそうな程の静寂が、サクラの胸を刺す棘を凜と鳴らした。