3ヶ月後の四月―

ナツはサクラと「バニラ」のカウンターに座っていた。

1stライブの夜、特別に上手い訳でもないが、強い力を持つ歌声に惹かれたサクラ。

サクラからのアピールでナツは真剣に付き合う事になったのだ。

2人は音楽という共通の話題も手伝い、急速に距離を縮めていった。



しかし1つだけ、サクラの気になる部分があった。

それは、サクラが南のドラッグフレンドという事。


付き合い始めの頃、よくサクラはナツに隠れてシンナーやMM(マジックマッシュルーム)、その他諸々効かしまくっていた。

この辺は南と同じで雑食だった。

女には薬に手を出して欲しくないナツー

必死の説得と愛情で、ここ最近は落ち着いてきた。

それ以外のサクラは申し分なかった。

容姿端麗、可愛げある愛嬌、そして何よりも男を立てる事を知っていた。

B型で素っ気なく、気まぐれで、少し気の強い所ー

それさえもナツにとっては好きになるマテリアル(要素)でしかなかった。