その日の夜は「バニラ」で打ち上げが盛大に行われていた。

BGMは勿論shellyのオリジナル曲。

「今日は人生で今んとこ最っ高の日になった!取り敢えず酒持てお前らぁ!いいかぁ?いいかぁ?」

「せーのっ、チアーッ!!」

そうして、それぞれアルコールの雨に打たれていった。



そんな時、ナツに1つの出会いが舞い込んできた―





ナツの隣に南が来て耳打ちをする。


「お前と話たいって女が居んだけど呼んでいいか?」


「う~ん」


「頼むっ!少し話してくれたらいいから。なっ!?」


ナツは(女かぁ、別にどうでもいいんだけどなぁ)と思ったが、今日がいい日だったこともあり断らなかった。



了承を得た南は満足そうに後ろを振り向き「さくらぁ」と呼んだ。


「サクラ」


この女の娘がこの先のナツを大きく変えていく事はまだ誰も知らない真冬の深夜だった。



二人を引き合わせた南は、少し離れた席で何かブツブツ呟いていた。