まずナツは、持っていたナイフでコヤジと同じ場所を刺しえぐった。


「これお前んだろ?返してやるよ、利息つきでな」


そして、息の続く限りひたすら殴り続ける。


自分の拳の骨が折れている事も気付かないまま。





5人のうちの1人が電話しているのが目に入った。

しかし、それが警察だとしてもナツはどうでもよかった。





「勘弁してくれ、悪かった」


足元で命を乞うハゲ。


股間は失禁によりデニムの色が濃いくなっていた。


「今更遅ぇよ。天国に行けるように祈っとけ、祈るのはタダだぜ。フッ、でも閻魔さんはドラフト指名してくれんだろ。お前みたいなクソヤローは」


ジリジリと後退りする血まみれのハゲ。


ナツはハゲの両耳をしっかり掴み、血だらけの顔面に思い切り膝で蹴り込んだ。


「がはっっ」


ブチッともビリッとも表せない音がした。

ハゲの両耳の付け根から血がしたたり、鼻は明後日の方を向いている。