街に出たナツはハチベーに聞いた特長を頼りに、それらしい奴を捕まえて訊いて回る。



13人目の奴が口を滑らした。


「あぁ、あいつね」

それを聞いた瞬間に、ナツの悔恨の氷細工が身体の何処かで音を立てて氷解する。

その男を喋れる程度に痛めつけ、コヤジを一番痛めつけた奴を呼び出させた。






数十分後――



1台のキャデラックが公園の駐車場に停まった。

ドアが開くとチカーノ.ラップが洩れてきた。


ドアが閉まる音ー

4回


(最低4人か)


しかし、ナツには何も恐れるモノが無かった。




「で、何の用な訳よ!?」

見るからにアホそうで形だけ一人前の奴が調子に乗った口調で訊いた。


相手は5人

揃いも揃い、ヒゲを蓄え、ギラギラと安っぽく光るメッキのアクセで身を固めている。


外見だけで強さを誇示しようとしてるのが判る。


「ダセェ」


ナツがポツリと呟く。

「あ"っ!?」