コヤジが目を覚ました時の為に買い物を済ませ、戻る前に喫煙所で一息つくことにした。

買ってきたばかりのコヤジのピース。

封を開けようとしたが、やっぱりポケットの中からクシャクシャのピースを取り出し、1本くわえる。
コヤジの胸ポケットに入っていたピース。

歪んだ一本の煙草はコヤジの血で赤く染まっていた。


ゆっくりと先端に火を近づけ深く吸い込む。

ジジジッ

血濡れた煙草が乾く音が鼓膜を揺らした。

「コヤジ、明日は何しよっか」

雫が一筋。

涙が止まらなかった。