ナツは別にどうでもよかった。

今年の春から成り行きに任せてここまで来た。

そして、これからもそのつもりだった。


「分かりました」

拒む理由も無いナツ。

コヤジは軽く舌打ちして

「お願いします」

と言った。

酔ったピカチュウには舌打ちは聞こえなかったらしい。

ホッとしたコヤジ。

「ほうか、ほうか。お前らはワシが可愛いがっちゃるけぇの」

ピカチュウは「これで帰れ」と1万円札をナツに渡し、次の店に行くと言って行ってしまった。

コヤジは「はぁ~」とため息をもらした。