夜になるとコヤジと2人でピカチュウの後ろを着いて歩く事が多くなった。

連夜、繁華街辺りで喧嘩をしていた2人。

それをどこからか聞き付けたピカチュウから呼び出され

「お前ら、無茶しよーるらしいのぉ。じゃが、相手が組の人間ならどうすんな?あっ?」

「そこまで考えなかったっす」

「アホかワリァ。下手すりゃ殺られるど!?じゃろーが?暴れるんならどうや、ワシの下についてみんか?半端はいけんでぇ」

コヤジが一瞬「エッ!?」という表情をしたのをピカチュウは見逃さなかった。

ヤクザならではの目ざとさ。

「なんなら、かばちがあるんか?」

「いえ」

コヤジはナツの方を見た。

するとナツは

「分かりました。お願いします」

と静かに頭を下げた。

コヤジは覚悟を決め一緒に頭を下げた。

18で引退したNew Typeの面倒見であったピカチュウは満足そうに笑い

「じゃ、呑みにでも行くかぁ?」

と豪快に言った。

New Typeの中でも特に目を掛けていたナツが落ちた事がピカチュウの気分を良くさせた。