ぼんやり思いながら、アルコールに触発された眠気に呑まれて行った。

隣で寝息を立て始めたナツにコヤジは申し訳なさで頭を抱える。

(この男は俺の知らない辛さをどれだけ越えてきたんだろう?)

計りかねる哀しみの深度を少しずつでも埋めてやりたいと思うコヤジ。


「ナツ、俺は一緒にいてやるよ」

ナツの寝顔が一瞬微笑んだ気がした。

右耳に飾られたブリリアントカットされたガラスのピアスが淋しく光る。



受け入れたくないアクチュアリー[現実]

受け入れなければならないアクチュアリー。

その真ん中で血涙に浮遊しながら十代が錆びついていった。