「結汰ー!起きないと遅刻するよー!」


ホールから響く佐倉さんの声、俺はのっそりと起き上がり、目を擦る。


「あれは夢か?夢にしてはリアルだったな…」


そう言いながらベッドから立ち上がり、腕につけている水色ののヘアゴムをとり前髪を結わき始める。


「結汰!あんた起きてんの!?」

佐倉さんが俺の部屋のドアを勢いよく開けて怒鳴り付ける。

負けじと俺も声を張る。


「うるっせーな起きてるよ!ガタガタ言うなおばさん!」


バシッ!


「いってー!!児童虐待で訴えんぞ!」


俺の部屋にズカズカと入ってきたと思ったら頭をひっぱたかれた。
そんな佐倉さんは俺を睨み付けながら言う。

「だったら言葉遣いをよくしなさい!来年から高校生でしょ!まったく…ご飯冷めちゃうからさっさと準備しなさい。」


そう言って部屋を出ていき、俺は佐倉さんが出て行ったドアをじーっと睨み付けていた。

「たくっうるせーな本当に…」


着ているスウェットを脱いで、ハンガーにかかっている制服のワイシャツに腕を通し、ズボンを履いて、スクール鞄の中身をチェックする。


「よし!飯食って学校行くか!」

鞄を持って、自分の部屋から出て、みんなの集まるホールへ向かった。