君と出会って

「真由」

その夜、睦海を寝かしつけてから久々に真由とじっくり話をしようと思った。

「…何?」

あ、警戒してるな。

疑い深い目をこちらに向ける仕草はまるで睦海。

母子共によく似ている。

「睦海に何か言ってない?
バイクに乗れ、とか」

「そんな事は言ってない」

そんな事は…という事は。

「パパみたいにバイクで走りたくない?とか」

そう言うと真由の動きが止まった。

「…きっとむっちゃんは私が言わなくても乗るわよ」

「じゃあ、言うな」

そう言うと真由は力無く、ベッドに座った。

「言わなくても…」

俺はため息をつく。

「睦海はいつか走るよ。
俺が望まなくても、睦海には才能があるから。
止めても乗るよ」

真由を見つめると驚いた様子で俺を見ている。

「…今度、講習会があるからそれに睦海を連れていくよ」

真由は嬉しそうに笑って頷いた。