君と出会って

「しっかり、自分の走りをしてこい」

GP250の予選。

祥太郎にはそれしか言う事はない。

祥太郎は頷く。

そしてそっとタンクに手を置いた。

少し、緊張しているな。

昨年のシリーズチャンピオンの祥太郎は間違いなく他のチームからマークされている。

その為のキツいトレーニングもしてきた。

「大丈夫、お前はこれをバネにして世界を目指すんだ」

震える祥太郎の手を俺はギュッ、と握りしめる。

「うん、そうだね」

一瞬、俯いてゆっくりと顔を上げた時の祥太郎の目を見て、今回もらったな、と思った。