君と出会って

「どう?調子は」

予選前、隆道が余裕の表情で俺に話し掛けてくる。

「祥太郎はまあまあだね。
光は久々の日本だし、マシンにもまだ慣れていないから、それが心配」

「そっか。
ところでお前の三つ子ちゃん達はもう退院したのか?」

隆道も子供の事は心配してくれていた。

「来週だよ」

俺は口元に笑みを浮かべる。

「良かったな」

隆道の言葉に俺は頷く。

「また、子供と嫁を連れて会いに行くよ」

隆道は俺の肩をポン、と叩いた。



…普段は仲の良い友達。

サーキットでは常にライバル。

俺が引退しても、これは変わらない。

少し、胸が痛くなった。

あいつと…戦わなくていい方法なんてないのかな。

なんて、何を考えているんだろう、俺。