君と出会って

「じゃあ、ボクが先に走りますんで」

スタッフの言葉に俺は頷く。

2周、走る事になった。



昔、ロードをしながら訓練の一環でオフロードも走行していた。

だから何となくは走り方もわかる。

1周目は前の動きを見ながら合わせる。

2周目は少しだけアクセルを開け気味に走った。

スタッフが少し慌てる。

…頼むから転ぶなよ。

俺としてはバイクの排気量が小さいのと車体が軽いので扱いやすい。



「やっぱりオフでも速いですね!!」

「いやいや、こちらこそありがとう」

走り終えるとスタッフが興奮しながら話し掛けてくる。

「やっぱり、速い人は何に乗っても速いやー!」

そう言って笑った彼は本当に楽しそうで。

楽しんでもらえたら、走って良かったと思う。



「パパー、見てー!」

叫び声でふと、視線を遠くに変えると。

楽しそうに8の字走行をしている睦海がいる。



…恐ろしい。



遺伝子って本当に侮れない。