世界から

「確かに肉弾戦では分が悪そうだ、だが私の能力の真髄はスピードなどではない!」



建物の屋上で、リアは歌い続ける
とても優しい声で、とても優しい歌声で

とても愛のある、歌を


「よし、全員配置に着いたな。弓兵隊・・・構えっ」
兵士たちは弓を引き絞る
「放てっ!」

数十本もの弓矢が一斉に放たれる
リアはそれに目もくれず、ただ歌い続けた
歌声からは、恐怖も動揺も感じられなかった


弓矢はリアの目の前で方向を変え、彼女を避けるようにして飛んでいった
「な、何故だ・・・」
隊長をはじめ、兵士たちは不思議そうにリアを見つめていた

「駄目じゃないですか、歌の邪魔をしたら」
リアの隣には、リクが立っていた