世界から


「この催眠術さえあれば、この国ほど私にとって住みやすい国は無かった。だが、歌というものは私の音波を何故だか妨害するようでね」
「だから禁止したのか」
「そうさ、困ったものだろう?」

シオンは執政官に斬りかかった
「くっ・・・!!」
執政官はまた消えて、シオンの攻撃をかわした

「どうやら」
シオンは気付いた
「五感は音速にはなれないみたいだな」

「くくく、だからどうした。分かったところでお前は私の攻撃をっ!!」
執政官が斬りかかった
だが、シオンは横に跳んで避けた

執政官は驚きを隠せない様子だった

「速すぎて曲がれないようだな、直線的で読みやすいよ」
「ぐ・・・・」
「それに、常に音速で移動するにはあんたの体力はちょっと少なすぎるみたいだな」
シオンの目が見切るのは、相手の動きだけではないようだった