「ほう、受け止めたか。良い目をしているのだな」
消えた執政官が目の前に居た
「まさか、あんたも」
「左様っ!!私は自分自身を“音”にすることができる能力を持っている」
「じ、自分を・・・音に?」
シオンは執政官を押し返した
「そう、自身を一時的に音波に変えることで、音速での移動が可能になるのだ」
執政官がまた消えた
「更に」
シオンの真後ろから執政官の声が聞こえた
「特殊な周波数の音を生み出すことで、催眠術のようなこともできるのだよ」
(速い・・・・!!)
シオンはかろうじて執政官の動きを目で追うことができた
常人の目では、何が起きたか分からぬまま切り刻まれて終わっていただろう
「だが、私の催眠術を妨害するのだよ・・・あの歌は」
執政官の顔に苛立ちの色が見え始めた

