世界から


「あ、見つかったかな?」
広場の近くの建物の屋上を見上げて、リクがまたひとりごちた

「執政官殿っ」
他の兵士と少し格好の違う兵士が執政官に呼びかける
「あの建物の屋上に少女が、恐らく歌を歌っているのは・・・」
「弓兵隊を周辺に向かわせろ、あとは数人の兵を建物の内部から直接少女の捕縛・・・いや、もういい・・・殺しても構わん」
「はっ」

恐らく隊長と思われるその兵士は、部下の兵士たちに命令を下す
民衆は慌てふためいて、散り散りにその場から逃げていく

「さて、まずあの少女が死ぬ」
執政官は腰に差した剣を抜く
「そして次に貴様らだ」
執政官は構えた


「どうやって私の能力の秘密を知ったかは分からんが、これは防げんぞ」
執政官が消えた

「・・・・・・っ!!」
シオンは剣を目の前に構えた
キィンと高い金属音が鳴る