「な、なだ・・・き、きさ・・・貴様」
執政官は“何だ貴様”と言いたかったらしい
「驚いたな、こうまで軽いなんて」
シオンの想像以上に、シオン自身の身体能力は高まっていた
そして異世界において、それは更に飛躍していた
「さて、エリオって言ったか、君」
シオンはしゃがんで、断首台に固定されたままのエリオの目を見た
「これから俺たちは、君と彼女を守る。彼女の歌が終わるまで、絶対に」
「く・・・何だというのだ、一体・・・」
執政官が右手でシオンを指差し
「こいつを、こいつを殺せ!!」
兵士たちに命令した
「そろそろ始まるぞ、そこでじっとしていてくれ」
シオンはエリオにそう言ったあと、断首台からエリオを解放した

