「ああ、楽しみだなぁ」
執政官は右手を上下に一度振って、兵士に合図をした
兵士は両腕で剣を握って、そのまま断首台のに吊るされた刃を押さえているロープ目掛けて振り下ろした
「あああああああっ!!!」
誰かが叫び声をあげた
「え・・・」
兵士は両腕を振り下ろしていた
だが、ロープは切れていなかった
兵士は一瞬何が起きたのか理解できなかった
執政官が驚いた表情で自分を見ているのに気付いたので、自分自身を見た
足元を見ると、何やら赤い液体がボトボトと垂れている
その液体が作る小さな赤い水たまりの中には、“手のひらぐらいの大きさの二つの何か”が落ちていた
その少し隣には、さっきまで兵士が持っていた剣が落ちていた
何だか頭が少しくらっとしてきたが、兵士は自分の手を見てみた

