「さて、これより罪人に対する刑を執り行う。罪人には死を以って己の犯した罪に報いてもらおう」
先ほどからやけに静かなエリオが、二人の兵士に押さえつけられながら、断首台に“取り付けられた”
「さて、いよいよだな」
「うん」
シオンが二つの事に対して、言った。リクもそれを理解し、返事をした
「何か言い残すことは無いかね、ん?」
執政官がエリオに対して言った
エリオは少しもがいて何か言おうとしたが、口が動いただけでそこから声が発せられることは無かった
「くくく、そうか・・・なら、早く死んでもらおうか」
執政官は死刑執行人の兵士に目で合図を送る
兵士は持っていた剣を振り上げて、次の合図を待つ
「死ぬ瞬間だけ、“声が出せる”ようにしてあげよう。君はどんな美しい音色を奏でて、死んでいくんだろうねぇ・・・」
執政官は恍惚とした表情でエリオを見つめた

