翌日の正午、シオンとリクは広場に集まる人たちの中にまぎれて処刑台を眺めていた
「うわー・・・」
「古典的だな、でも・・・残酷だ」

広場の中央には処刑台が設置されていた
台の上には罪人の両腕と首を固定するための木の板と、その上に巨大な鉄の刃がロープで吊り上げられていた

「青少年の視聴に配慮すべきだと思わない?」
リクが真面目な顔で聞いてきた
シオンはリクがふざけてるのか本気なのか良く分からなかったので
「ありのままを、見せたほうが逆にいいんじゃないか?」
と、適当に言ってみた

「そうか・・・そういう考え方も、」
リクが何やらどうでもよさそうなことを考え出したので、シオンは放っておいた
処刑台の上に誰かが上っていく。煌びやかな格好をしていることから、貴族か何かだろう


執政官か何かと思われる貴族の男は咳払いをした後
「諸君っ」
と大声で民衆に呼びかけた

「この国では音楽は平和、愛、友情など・・・人の持っている様々な聖なる感情の象徴として、我々の心に安らぎを、暮らしには発展を与え続けてきてくれた」

執政官は一拍おいて
「神にも等しき存在なのであるっ」
何やら変なことを叫んだ