世界から



「直接被害に遭ったのは貴族の娘、犯人は同年齢の平民の息子・・・か」
「何か裏がありそうだね」
「どちらかと接触できればな・・・」
「貴族の方はまずいと思うよ、たぶん」

二人は町のはずれの方にある、刑務所のような所に向かった

道の途中で、少女にあった
フリルがたくさん付いた、薄いピンク色のワンピースを着た女の子だった
とても悲しそうな表情をしていた

「あの・・・」
リクが少女に声をかけた
「・・・何ですか」
少女は弱弱しく返事をした

「いや・・・元気が無さそうだからどうしたのかな、と思って」
「・・・ごめんなさい」
「ちょ・・・何で謝るのさ、別に僕は・・・」
「あなたたち、旅の人・・・?」

何故かあたふたしているリクを無視して、シオンが首肯した

「何か、言いたいことがあるんじゃないか?」
シオンは少女の声に聞き覚えがあった
この世界に来るときにどこからか聞こえた声だった