「処刑?」
「ああ、明日の午後にこの広場で・・・な」
シオンとリクは町の中央にある広場に来ていた。
そこにいた銀色の甲冑を身に纏った兵士に話を聞いていた
「何でも貴族の・・・それも“音楽家”の家に侵入したらしい。軽くても終身刑だよ」
「音楽家ってこの国ではそんなに身分が高いの?」
リクが聞いた。兵士は驚いた顔をして答える
「そりゃあそうさ、まさか君たち・・・旅人か何かかい?」
ちょっと違う気もするが、二人は頷いた
「じゃあ知らなくても仕方が無いか・・・」
兵士は二人にこの国について簡単な説明をする
兵士が言うには、この国では音楽がとても盛んで、貴族の中でも、音楽家の身分は王族の次に高いというほど、音楽家は高い身分だそうだ
この国の特別な法律の中には、音楽家の創作活動を著しく妨害したものには厳罰が下されるらしい。
貴族なら爵位降格、若しくは剥奪
爵位を持たない平民ならば、極刑もあるそうだ
「今回の犯人は平民の子どもらしい、可哀想だが・・・罪は罪、だからな」
兵士はぼやいた
「侵入しただけで妨害扱いなの?」
「詳しいことは知らないよ、俺ぁ下っ端だからなぁ・・・」
とりあえず二人は兵士に、犯人の子どもと被害に遭った貴族について聞けるだけ聞いた

