学校についてからも体に纏わり付くような倦怠感は消えなかった。
“いつもと同じ”なら、学校に付いた時点で「仕方ない、やるしかないか」と諦めがついて、同時にこの一時的な精神病も回復するのだが
「どうしたのよアンタ、顔が悪いわよ」
教室に着いた途端今一番話したくない奴に話しかけられた。
先ほど“アイツ”呼ばわりしていたリクの姉だ。名前はソラ
「ああ、顔は元からね、“顔色”の方も悪いけど、大丈夫なの?」
気を遣っているんだか遣ってないんだか何とも微妙な台詞だった。
普通ならこんな台詞を聞くと嫌悪感を覚えるのだが、流石に弟共々付き合いが長いので、彼女なりの気遣いであることは分かっている。分かっては・・・いる
といっても他のクラスメイトに対しては普通の明るい女の子らしく振舞うのは果たして気のせいだろうか。そうであって欲しい
「雨ってのはどうしてこう・・・俺の勉学に対する情熱をこうまで殺いでくれるんだろうかね」
「随分低温な情熱もあったもんね」
この女、相当なレベルの顔なのに、性格が悪役以上に悪い。本人はそれを理解しているようだから手に負えない
意味もなく人々を苦しめているモンスターたちと違い、こいつは何か明確な敵意を向けてくる。根は優しいのだが
「そういえばリクはどうしたのよ。一緒に来てるはずでしょ」
「トイレとか言ってどっか行ったよ」
「どっかって、トイレって行ったんだからトイレに行くでしょ普通」
確かにそうだが、あの時リクは一番近い下駄箱近くのトイレではなく、図書室方面に向かっていった。そっちにもトイレはあるにはあるが・・・。
「1時間目は・・・現代文か、よし」
「あんた今居眠りしようと考えてたでしょ。よし、だなんて不自然すぎ」
今あんな呪文のような授業を聴かされたら、それはもう俺にとっては睡眠呪文でしかない。これを捨て次の数学を乗り切る
「苦手な教科を一つ捨てるような奴が、更に苦手な数学を乗り切れるとは思えないけどね」
こいつは読心術でも出来るのか。
「それに中途半端な睡眠って余計に眠くならない?」
正論なので反論できないのが悔しい。
しかしリクはいつまでトイレに行っているのか・・・。もうチャイムが鳴ってしまう。まあうちの担任はいつも少し遅れて来るからまだ大丈夫だが。
“いつもと同じ”なら、学校に付いた時点で「仕方ない、やるしかないか」と諦めがついて、同時にこの一時的な精神病も回復するのだが
「どうしたのよアンタ、顔が悪いわよ」
教室に着いた途端今一番話したくない奴に話しかけられた。
先ほど“アイツ”呼ばわりしていたリクの姉だ。名前はソラ
「ああ、顔は元からね、“顔色”の方も悪いけど、大丈夫なの?」
気を遣っているんだか遣ってないんだか何とも微妙な台詞だった。
普通ならこんな台詞を聞くと嫌悪感を覚えるのだが、流石に弟共々付き合いが長いので、彼女なりの気遣いであることは分かっている。分かっては・・・いる
といっても他のクラスメイトに対しては普通の明るい女の子らしく振舞うのは果たして気のせいだろうか。そうであって欲しい
「雨ってのはどうしてこう・・・俺の勉学に対する情熱をこうまで殺いでくれるんだろうかね」
「随分低温な情熱もあったもんね」
この女、相当なレベルの顔なのに、性格が悪役以上に悪い。本人はそれを理解しているようだから手に負えない
意味もなく人々を苦しめているモンスターたちと違い、こいつは何か明確な敵意を向けてくる。根は優しいのだが
「そういえばリクはどうしたのよ。一緒に来てるはずでしょ」
「トイレとか言ってどっか行ったよ」
「どっかって、トイレって行ったんだからトイレに行くでしょ普通」
確かにそうだが、あの時リクは一番近い下駄箱近くのトイレではなく、図書室方面に向かっていった。そっちにもトイレはあるにはあるが・・・。
「1時間目は・・・現代文か、よし」
「あんた今居眠りしようと考えてたでしょ。よし、だなんて不自然すぎ」
今あんな呪文のような授業を聴かされたら、それはもう俺にとっては睡眠呪文でしかない。これを捨て次の数学を乗り切る
「苦手な教科を一つ捨てるような奴が、更に苦手な数学を乗り切れるとは思えないけどね」
こいつは読心術でも出来るのか。
「それに中途半端な睡眠って余計に眠くならない?」
正論なので反論できないのが悔しい。
しかしリクはいつまでトイレに行っているのか・・・。もうチャイムが鳴ってしまう。まあうちの担任はいつも少し遅れて来るからまだ大丈夫だが。

