世界から


「ほう、それはまた狂った発想だな。滑稽だ・・・実に、滑稽だよ」

「そう、滑稽だ。結局人を殺すことに変わりは無いのだから」
黒マントは自嘲した。
「だから、せめて・・・せめて国内では誰も血を流さないように、そう思ってね」

「そうか分かった。私の部下たちは貴様らの破壊衝動の慰めのために殺された、と」
黒マントは無言で、にやりと笑った

「しかし、人間とは皮肉な生き物だな。強すぎる競争本能が発展と同時に破滅ももたらしてしまった訳だ」



「もういい、黙れ」
ロゼが落ち着いた声で言った

「だが、だからこそ人間はこ」
「黙れ」

黒マントの左腕が床に落ちた


「は・・・え、あ、が・・・」
一瞬の出来事でしばらく黒マントは理解ができなかった。
何故、自分で自分の腕を切ってしまったのかを

「お前は少し話しすぎた、私には十分すぎる時間をお前は与えてくれた」
ロゼは黒マントの剣に“そいつの腕を斬り落とせ”という命令を出していた

「畜生・・・貴様、きさ・・・まあ・・・使えた、のか・・・」
黒マントは自分のサーベルを前に突き出して叫ぶ
「ひゃははははは!!!死ね、お前らは・・・死ね!!!」

ロゼは微笑した
「皮が剥がれたな、浅い男だ」