「あ、そういえば!」
何かを思い出した歩波君は、持って来ていた鞄の中から何かを取り出した。
「はい、これ」
私に渡して来たものは、小さな兎のストラップだった。
「これは…?」
「忘れ物だよ。美衣菜帰った後にハルが気付いたんだ」
これ…。
初めてひとつになった時に茉里唖からもらったものだ。
壊したり、なくしたりしたくなかったから家に大切に保管してたはずなのに。
制服か鞄にでも引っ掛かっちゃってたのかな。
…良かった。
なくさなくて…。
「ありがとう、歩波君」
茉里唖からもらった大切な宝物。
今度はくっついてこないようにちゃんと違うところに置いておかなくちゃ。
どこがいいかなぁ…。
私は棚には茉里唖と撮った写真が飾ってあることを思い出した。
あの隣に置いておこう!
家に帰ったら即!置こう!
「…菜?美衣菜?」
「へ?」
色々考えてて歩波君の声に気付かなかった。
「な、何?」
「どうして…泣いてるの…?」
え…?
泣いてる?
頬のあたりを触ってみると、涙がボロボロとでていた。
「もしかして、さっきのこと…?」
芭衣ちゃんが優しく聞いてくれる。
「な、何でもないよ。大丈夫…」
茉里唖のこと考えてたら自然と涙がでてくるなんて…。

