その時、後ろからケンに声をかけられた。 『おい、悠斗。』 『ん?』 返事をしながら少し目線をずらすと、ケンの学ランの第2ボタンがなくなっていた。 『お前、ボタンないじゃん。』 『ん?あ、おぅ。明日美にあげた。付き合い始めたときからの、約束だったんだよ。』 『へぇ~…。』 『…悠斗は?』 『んあ?』 『お前はあげねーのかよ?瑠璃ちゃんに。』 瑠璃の名前にすこし反応した。 ケンと明日美は、神田と瑠璃が付き合いはじめたあたりから、瑠璃とのことにはあまり触れなかったから、すこし驚いた。