ピンポーン。

秋の乾いた夜空に響く。
すると、すぐにすこし低めの女の人の声で、
『はーい。』
と返事をしたのが聞こえた。

間髪を入れずにドアは開かれた。

『あら、悠人くんじゃない。どうしたの?瑠璃に用事?』

相手は、瑠璃の母親。
目のあたりがとてもよく似ている。

『あ、夜遅くにすみません。瑠璃に…忘れ物、届けにきたんで。瑠璃、居ますか?』

『あらまぁ。わざわざ、ありがとうね。今呼んでくるわね。』

おばさんは家のなかにもう一度入って行った。