振り返ると、ケンと明日美が後ろの扉から俺を見ていた。

『好きとか、会いたいとか、そういうだいじな気持ちは、言葉にしなきゃ伝わらねぇんだよ。もし今、少しでも瑠璃ちゃんのこと考えてんなら、会ってあやまれよ。そんで自分の気持ち伝えろ。』

俺はすこし視線をはずした。
少しなんかじゃない。
俺の頭は、こころは、今瑠璃でいっぱいだった。

『…本音を、言えよ。好きならさ。』

ケンが優しくわらった。

『…あ、あと。気付いてるかもしれねぇけど、瑠璃ちゃんお前が居なかったらめっちゃモテるからなぁ。一緒に登下校しないだけでどうなるかなんて、予想ぐらいしとけよ。じゃあなぁ。』

…え?


勢いよく振り返ると、ケンと明日美はもう居なかった。