中学3年生の、
秋も深まった10月。

俺たちは、変わらない日常のなかに居た。


『おはようっ!悠ちゃん。』

『おう、おはよ。』

瑠璃はいつものように追いかけてきたが、重そうなカバンを抱えている。

『…オマエ、なんだよそのカバン。』

『…ふぅ、なにって?』

一度肩からおろし、またかけなおす。

そんな瑠璃を見ていられなくて、貸せ、とカバンをむりやり持つ。

瑠璃はなにか言おうとしたが、すぐに口をつぐみ、ありがとう、とつぶやいた。