よほど無我夢中だったのだろう。

刃竜の巨体が傾き始めた事に気づかなかった。

刃竜は仰向けに転倒し、俺はその勢いで振り落とされてしまう。

「しまっ…!」

慌てて身を起こす俺。

そこには。

…舌をダラリと下げ、傷口から鮮血を流し、微動だにしないまま横たわる刃竜の姿があった。

「…アキラ」

静かに歩み寄ってきたナハトが、俺の肩を叩く。

「新米狩猟者は…もう卒業…」







この日初めて、俺は竜種を仕留める事に成功した。