討竜の剣

街の奥へと。

俺達は警戒しつつ足を踏み入れる。

路上に散乱する瓦礫。

割れた窓ガラス。

打ち捨てられた鉄の乗り物…自動車というらしい。

横転した蒸気機関車までもが路上に放置されている。

酷い有り様だった。

ナハト曰く汚竜の最初の上陸により、街はご覧の有り様になったという。

ドーラの文明の利器たる自動車も蒸気機関車も、汚竜にかかれば脆いものだという事か。

「この先に…湖がある…」

ナハトの言葉で、俺は気を引き締めた。

先程から気になっていたのだ。

街に漂う生臭いような獣臭。

肉食獣の体臭とも、魔物の発する臭気とも違う。

近いものを挙げろというならば、ライストで見かけたアイスラ人の仮説診療所。

あの診療所から漂う薬品の臭いに似ていた。

その事をナハトに告げる。

「…ファイアル人は…鼻がいい…」

少し感心したようにナハトが目を丸くした。