討竜の剣

これ以上は迷惑はかけられない。

汚竜はドーラの環境汚染のツケを支払わせるべく出現した魔物。

ならばそのツケを支払うのもまた、ドーラの民でなければならない。

そんな小難しい理屈…。

「俺の知った事じゃないな」

俺はナハトの脇をすり抜けて、ズカズカと街の中へと入っていく。

「あ…」

呆気にとられて俺を見るナハト。

そんな彼女に、俺は振り返る。

「来ないのか?汚竜討伐の手柄は俺が全部貰っていいんだな?」

ニヤリと笑ってやる。

俺は誓ったんだ。

ナハトと一蓮托生だと。

ここまで来てファイアルに一人帰るだなんて、そんな馬鹿な話は有り得ない。

「…………」

無表情なナハトが、また満面の笑みを浮かべた。

「冗談じゃない…この国はドーラ…ドーラの英雄の肩書きは…ドーラ人が得るに決まっている…」

駆け出すナハト。

彼女は俺と肩を並べる。

「よし」

俺もまた歩き始めた。

「汚竜を仕留めた暁には、『二英雄』とでも名乗るか…!」