討竜の剣

歩きながらナハトは説明を続けた。

「ドーラの人々は…最初は汚竜の出現を喜んでいた…ドーラでは多くの武器も発明されている…未完成ではあるものの、拳銃やライフル…私の持つ竜滅砲も、当時はまだ試作段階…どうしても試射したかった…」

そこへ現れた汚竜。

ドーラの人々は絶好の相手だと感じたに違いない。

技師達がこぞってドーラの軍隊に、発明した兵器をアピールする。

既に廃れつつあった土の魔法の使い手である貴族達も、もう一旗あげようと名乗りを上げる。

貴族と軍隊の混成部隊。

彼らは意気揚々と汚竜討伐に向かい。

「…全滅するのに…一日もかからなかった…」

ナハトは無表情のまま言う。

ファイアルの火の魔法をも凌駕する発明と公言して憚らなかったドーラの試作型火器。

そのことごとくが汚竜の前では通用せず、逆に汚竜の高い戦闘力の前に敗北を喫していく。

蹴散らされる軍隊。

葬り去られていく貴族達。

その貴族の中には、ナハトの父親もいた。

「父上は…貴族であり…ドーラで随一の武器商でもあった…高い技術力と財力を生かし…魔物をも屠る大砲の開発に心血を注いでいた…汚竜を倒せば…ドーラの技術力は更に注目される…そう言って誇らしげに討伐に向かった…それが最後の姿…」

その時ナハトがどんな表情をしていたのか。

彼女は背を向けていた為、俺には最後までわからなかった。